第1章 情報を扱う科学技術の特質

 情報を扱う科学技術には、いくつかの重要な特質がある。その特質の科学技術的な要因は、情報を生成し、蓄積し、伝達し、加工するという作業(以下では簡単に「情報処理」と呼ぶ)の性質にある。本章では、情報処理の性質の中でも重要なものを「本質」として簡潔にまとめ、その上で情報科学技術の研究・開発というのはどのようなものなのか、さらに情報科学技術が明暗両面で社会的にも大きな影響を持つのはなぜか、なぜ情報科学技術について知っておく必要があるのか、などについても情報処理の本質や情報科学技術の性質と関連して説明する。

以上は本報告書の第2章以降で詳しく述べることの概要でもある。ここでの主張の背景や登場する概念の詳細については、第2章以降を参照されたい。